2023年福岡県高校入試にでた国語の小説・古典
福岡県公立高校入試に出た、国語の問題から出典と対策傾向についてお話しします。
大問①②の傾向
昨年からの傾向の「読解問題」「資料による言語事項」の設問が変わり、今年は説明的文章での出題でした。
過去はイラストを用いたポップや資料でしたが、今年は小説「モモ」の一部が引用されイラストは用いられませんでした。
また、言語事項の設問は、基本的な出題ばかりでしたので、しっかり学習をしておけば解ける問題です。
令和5年度 国語の出典
国 語 問題一(1) ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」著者:山極寿一/毎日新聞出版(株)
既存の枠にとらわれない新しい価値観をどのように生み出していけるのか。
「個」が強調される中、信頼に足る家族・コミュニティーをいかに作り上げることができるのか。
みなの声に耳を傾ける社会を実現するには、どうすればよいのか。
ゴリラの視線から見た現代の人類への警告です。
どうすれば幸福に生きていけるのかを考えさせられる作品ですので、受験生には読んでみることをお勧めします。
問題一(2) 「モモ」著者:ミヒャエル・エンデ、訳者:大島かおり/(株)岩波書店
時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う,エンデの名作.
「時間泥棒」「灰色の男たち」と作中で呼ばれている、悪の組織の構成員たちのにより時間を搾取されていく街の人たちを守るため、主人公モモは組織と悩みながら戦っていきます。時間に追われて余裕がない現代人には、共感できるものがあり、余裕をもって生きようと感じさせられる小説です。
この作品は模試や高校の入学式までの課題作文など、出題される頻度の高い作品ですので、一読されることをお勧めします。
私が初めて読んだのは、高校の課題作文に対しての相談を受けた生徒からの依頼でしたが、なかなか本を読まないタイプの生徒には、難しい内容だと思います。
問題二 「鐘の音」著者:森 絵都/(株)文藝春秋
短編集「風に舞いあがるビニールシート」の6つのお話の中の一つで仏像の修復師を主人公にした物語です。
今年度の入試問題を見るまで、恥ずかしながらこの作品を知りませんでした。
森絵都さんといえば、「カラフル」というくらい、私の中では好きな作品があるので、「短編集」・・・。
気が付きませんでした。
短編の作品は、読書になじみがない子供たちも手に取りやすいと思いますので、少し内容を理解するのには難しいものもありますが、この機会に読んでほしいと思います。
問題三 「荘子 下」
「荘子」「老子」「韓非子」は、教科書や模試・入試によく出題されます。
勉強法としては、「書き下し文」と「現代語訳」を読むことから、始めましょう。
「なるほど!」と思わせる知恵を授けてくれるでしょう。
課題作文問題解説
問題四 「令和3年度「国語に関する世論調査」の結果について」/文化庁より出典
これまでの複数のイラストと意見から一つ選ぶという形式から、文化庁の言葉遣いに関するアンケート結果に基づいて意見を述べるという形に変わったことで、複数の意見を比較したり、自分の経験を結びつけて意見をまとめることを求められるようになりました。
全体的には記述問題の字数の合計が、昨年の95字から160字へと大幅に増えました。
作文は時事問題や新聞記事を読んで、時代の流れを見ていくと書きやすいと思います。まずは書く練習から始めしょう。
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