「どうせ、私は・・・」は危険信号!自己肯定感を上げるこどもの育て方
自己肯定感とは何か?
国立青少年教育振興機構によると、
自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。 (出典 実用日本語表現辞典)
自己肯定感とは、自尊感情(Self Esteem)、自己存在感、自己効力感などの言葉とほぼ同じ意味合いで使われています。
(出典 国立教育政策研究所 『自尊感情』?それとも『自己有用感』? 平成27年)
小学校高学年の時期に、重視すべき発達課題の一つとして、自己肯定感の育成があげられています。
(出典 子どもの徳育に関する懇談会 子どもの徳育の充実に向けた在り方について(報告)平成21年)
自己肯定感が高い子どもとは、「自分が価値のある存在である」と感じていたり、自分に自信がある子どもだといえます。その特徴としては、様々な物事に取り組む意欲が高いことがあげられます。
学習や労働といった具体的な対象への意欲の減退だけでなく、成長の糧となる様々な試行錯誤に取り組もうとする意欲そのものが減退している背景には、青少年の自己肯定感の低さなどがみられることが指摘されています。
(出典 中央教育審議会 次代を担う自立した青少年の育成に向けて(答申) 平成19年)
(引用元:国立青少年教育振興機構|自己肯定感とはなんだろう?)
自己肯定感についてまとめると次のようになります。
自己肯定感が高い人の特徴
「能動的に考えられる」
「主体的に行動できる」
「意欲的に動ける」
「他者の意見を聞ける」
「他者の評価に振り回されない」
「問題解決能力が高い」
自己肯定感が低い人の特徴
「受動的な考えになる」
「従属的な行動になる」
「消極的な行動になる」
「否定的な考え方を持つ」
「他者の意見を聞けない」
「他者の評価に振り回される」
「物事に罪悪感をもちやすい」
「どうせ、私は・・・」に続く言葉
「どうせ、私は(僕は)・・・できない」と思うと、何に対しても前向きに考えることが出来ません。
勉強に対してもそうなので、学習の習得度は低くなります。
こどもは「自分はできる」と信じて続けることで、学習の習熟度は上がっていくのです。
とは言っても苦手な科目や単元を自ら進んで勉強するようになるには、ある程度の習慣づけが必要です。
そのために親の言葉かけはとても大事なのです。
自己肯定感を育てる
自己肯定感が低い子どもを、「自分はできる」と思えるように導くには、
どんな言葉かけをするか考える必要があります。
こどもに声をかける際に、
「なぜ、できないの?」
「なぜ、やらなかったの?」と言っていませんか?
お母さんお父さんみて「なぜ?」と、冷静に理由を聞いているつもりでも子どもから見ると、言い訳の出来ないところをえぐられているのと同じです。
お母さんお父さんの「なぜ?」に対して、納得のいく回答をこどもから得られることはありません。
「しどろもどろの納得いかない言い訳をする」か
「ふてくされる」か
「泣かせる」か
そんな態度を見ていると、ますます、腹が立ってやり込め
「また、子どもが泣くまで怒ってしまった」
と自己嫌悪に陥るしかなくなります。
「自分がしっかり育てなければ・・・」という気持ちが強いほど、怒ってはいけないと思いながら同じことをしてしまいます。
このような状態が続くと、こどもは「自分はできない」という感覚が身についてしまい「どうせ、私は・・・」「どうせ、僕は・・・」と自信をなくしてしまいます。
自分の周りの人間から自分のできない部分にしか触れられないと、自分が出来たことすら意味を感じなくなり、例えばテストで高得点が取れたとしても
「たまたま取れただけ・・・」
「他の科目はできてない」
「次はきっとこんなに取れない」
というネガティブな感情に囚われてしまいます。
自己肯定感アップ、まだ間に合う?
子どもの自己肯定感は、年齢が上がるにつれ徐々に低くなっていくという言われます。
なぜなら、学年が上がるごとに学校でのテストや受験で自分の能力が数値化され、順位が出ることで思うような結果が見えないと、自信がなくなり自己肯定感が下がっていくからです。